昨日に初号ファンドの募集を開始したプレリートファンドですが、事前に争奪戦を予想してしまっていましたがむしろ逆に落ち着いた消化状況となっています。
適当な予想をしてしまい誠に申し訳ありませんでした。
さて、それはともかく折角なので今回募集のファンド内容を分析してみました。
ただ、現時点でもプレリートの仕組みとファンド内容の関係について理解しきれていない点も多々ある点についてご了承下さい。
今回募集開始となったファンド
まず今回募集開始となったファンドは4件でした。
これら4ファンドは、3つの案件で構成される1つの大きなファンドへの投資をリスク・利回りのタイプごとにA~Dに分割し、さらにその中でもファンドを複数に分割した上での4件となっていました(つまり今後、第2回、第3回と類似内容のファンド募集の可能性あり)。
ファンドA~Dの基本的な部分の違い
前述の通り本ファンドは1ファンド中に3案件を含む形となっていますが、まずはファンドの基本的な部分の違いについて整理します。
なおファンド名の「ヘルスケア・プレリート」は長いためHC・Pと省略しています。
ファンド | 利回り | 募集額 | 運用期間 | 担保 | 保証 | 募集開始 |
---|---|---|---|---|---|---|
HC・P第1号ファンドA第1回 | 5.00% | 2,500万円 | 14ヵ月 | ○ | ○ | 12/18 15:43 |
HC・P第1号ファンドB第1回 | 6.00% | 1,500万円 | 14ヵ月 | ○ | 12/18 16:44 | |
HC・P第1号ファンドC第1回 | 7.00% | 1,500万円 | 14ヵ月 | ○ | 12/18 16:45 | |
HC・P第1号ファンドD第1回 | 8.00% | 1,500万円 | 14ヵ月 | ○ | 12/18 16:45 |
※ファンドAの保証はmaneo株式会社が行います。
この表だけでは不明な点も多いと思いますのでファンド内の3案件の内容を整理してみます。
3案件の概要とリスク
3案件の概要
※投資先のP社はプレリートファンド社の事です。
案件1 | 案件2 | 案件3 | |
---|---|---|---|
投資先 | 不動産保有会社A (P社関連会社経由) |
不動産保有会社B | 不動産保有会社A (P社関連会社経由) |
投資先地域 | 東京都目黒区 | 宮城県仙台市 | 神奈川県相模原市 |
投資先施設種別 | 介護付き有料老人ホーム | ||
投資先物件名 | 「マミーズホーム」 | 「フループライフガーデン」 | 「アルプスの杜さがみ」 |
建物調査会社 | 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 | ||
不動産評価額 | 18億3,000万円 | 8億5,000万円 | 11億6,000万円 |
担保内容 | 不動産保有会社Aの株式に質権 | なし | 不動産保有会社Aの株式に質権 |
配当原資 | 投資対象不動産からの固定賃料 |
上記の部分はファンドA~Dで共通となっている部分です。
またある程度ソーシャルレンディング投資を行っている方は驚かれたと思いますが、投資先の物件名が明確に説明されています。
ソーシャルレンディングでは貸金業法に触れないよう投資先を匿名化することが求められていますが、物件名が明確になっているのは直接の投資先が隠蔽されていれば問題無いという判断なのかもしれませんね。
また担保内容が不動産ではなく不動産保有会社の株式への質権設定であったり、そもそも設定がない案件がありますが、これは対象不動産をリートに売却することを目的としている事が関係しているのでしょうか?
3案件に占めるファンドA~Dの割合
融資構造 | 案件1 | 案件2 | 案件3 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
金額 | 割合 | 金額 | 割合 | 金額 | 割合 | |
シニア(金融機関) | 9億0,000万円 | 49.18% | 5億7,000万円 | 67.06% | 7億6,000万円 | 65.52% |
HC・P第1号ファンドA | 6億0,000万円 | 81.97% | 1億4,500万円 | 84.12% | 1億7,000万円 | 80.17% |
HC・P第1号ファンドB | 3,000万円 | 83.61% | 2,000万円 | 86.47% | 2,000万円 | 81.90% |
HC・P第1号ファンドC | 3,000万円 | 85.25% | 2,500万円 | 89.41% | 2,000万円 | 83.62% |
HC・P第1号ファンドD | 3,000万円 | 86.89% | 2,500万円 | 92.35% | 2,000万円 | 85.34% |
この表は不動産評価額のうちシニア(プレリートファンドよりも有利な条件設定の金融機関)およびファンドA~Dが割合的にどの位置づけにあるかを示しています。
これは不動産売却時に評価額がそれぞれの割合を下回ると元本割れが発生し、それよりも上位の割合に達すると元本が0円となる可能性がある事を示しています。
例えば案件1の不動産売却額が現在の評価額の85.25%を下回った場合、ファンドDの案件1部分は0円となるものと思われます。
各案件不動産所在地の地価の状況は?
地価公示・地価調査のサイトで確認すると案件1の所在する東京都目黒区、案件2の所在する宮城県仙台市は全体的に上昇傾向、案件3の所在する神奈川県相模原市は若干下落傾向も見受けられるようです。
このため案件1および2は(もちろん売却先が同意すれば)あまり問題無く売却出来そうに思いますし、また案件3についても下落傾向が見られるとは言えファンド運用予定期間の14か月で14%以上下落することは余程の事が無ければ大丈夫そうにも思われます。
実際の投資の状況は?
私が画面をキャプチャした時点では、最もリスクの高目のファンドDが真っ先に満額成立していました。
この時点でファンドAが45%埋まっていたのは、最初の表の通りファンドB~Dに比べて1時間早く募集開始された影響と思われ、同じ時間に募集が開始されていればファンドAへの投資はまだほとんど無かったかもしれません。
管理人の投資状況は?
私の場合、今回はファンドAとファンドBとに分けて投資を行ってみました。
これはmaneoのキャンペーンファンドで良くある1つのファンドに同じ投資先でリスク・利回りの異なる内容を混ぜ込んで募集するあれを自分自身で設定してみたような形となります。
正直なところ安全志向の私はmaneoが保証までしてくれるファンドAへの投資だけでも良かったかもしれませんでしたが、折角のプレリートファンドの初回募集ということで記念の意味も込めてファンドDにも投資を行ってみています。
最後に
今回の募集ではファンドDは満額成立していますが、先にご説明した通りあくまでも今回は「第1回」の募集となっています。
このため、しばらく後にファンドDが再度登場するものと思われますので、リスクをとって利回りを狙いたい方はもう少し待ってみるのも良いのではないかと思います。
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