ソーシャルレンディングサービスのCOOL(クール) から日本保証との業務および保証提携の発表がありました。
COOLは東証マザーズ上場のZUUの子会社で、貿易・民泊・不動産関連ファンドなどのファンドが扱われています。
しかし最近、業界内で日本保証との提携ファンドがかなり増えてきましたね。
例えば次のようなサービスでそのファンドの募集がありました。
ただ「日本保証の保証付」だけで何となくメリットを感じて投資判断を行っている方も多いのではないでしょうか。
自分もそうだったような気がします。
このため今回、改めて日本保証の保証についてメリット・デメリットを棚卸してみたいと思います。
日本保証とそのサービスについて
日本保証は債務保証などの保証事業を主体とした会社です。
日本保証は東証2部上場のJトラスト株式会社の100%子会社である点もポイントですね。
債務保証とはその名の通り、何らかの貸付が貸し倒れとなっても日本保証が肩代わりしてくれるサービスのことです。
この通り、メリット面については非常に明快だと思います。
日本保証の保証が付くデメリット
では日本保証の保証が付くことで逆に発生するデメリットは何でしょうか?
自分の考えを棚卸してみた結果、次のような内容を思いつきました。
- 債務保証の保証料によりファンドの利回りが下がっている可能性がある
- 各サービス側が日本保証の保証に胡坐をかいて貸付先の選定が甘くなる可能性がある
- 日本保証の破綻時、全ファンドで同時に債務保証が外れる
それぞれもう少し詳しく説明します。
利回りの低下
各サービスで投資家に提示される想定利回りは、予め保証料が引かれた利回りになっていると思われます。
そのファンドは、日本保証の保証が無ければもう少し高い利回りを狙うことが出来たかもしれません。
ただ、投資家は提示された利回りに納得して投資をするはずなので、大きなデメリットとは言えないかもしれませんね。
貸付先の選定が甘くなる
このデメリット単体では大きな問題にはなりません。
何故ならメリット面によって貸付先が破綻しても債務保証が行われるからです。
日本保証が破綻した場合
やはり最大のデメリットはこれですね。
日本保証が破綻しても貸付先が返済出来れば大きな問題とはなりません。
ただし「貸付先の選定が甘くなる」と条件が重なった時に元本割れの可能性が非常に大きくなりそうです。
投資家自身も同じです。「日本保証の保証付」だけを理由に投資ファンドを選ばないように気を付けましょう。
COOLで日本保証案件に期待するメリット
とは言え、やはり債務保証は無いよりはあった方が安心感があります。
先ほどのデメリットの日本保証が破綻した場合、1つのサービスに投資を集中していた場合に大ダメージを追ってしまう可能性があります。
このため、保証付案件の安心感を持ちたい方でも色々と考えてリスク分散を行って置くことをお勧めします。
- 複数のサービスで日本保証付案件を分散投資しておく
- 日本保証の保証付、日本保証の保証の無い案件で分散しておく
今回の発表で、東証マザーズ上場企業グループのCOOL(クール)をその中の1つに加えてみるのもありかもしれませんね。