こんにちは!管理人まさおです。
すでに周知のことと思いますが、不動産特定共同事業者の「みんなで大家さん」が30日間の業務停止命令を受けました。
まず、みんなで大家さんのサービスは次の2社から構成されています。
- 不動産開発を行う大阪の都市綜研インベストファンド株式会社
- ファンド販売を行う東京のみんなで大家さん販売株式会社
そして前者は大阪府から、後者は東京都から同日に業務停止の行政処分を受けた形ですね。
参考 大阪府からの行政処分
※東京都からの処分はみんなで大家さんからの申し立てにより、その効力を第一審判決の言渡後から7日が経過する日まで停止されています。
またこのブログでは同サービスをご紹介してはいませんが、同じ不動産特定共同事業法不動産投資型クラウドファンディングの根拠法で、不動産投資を小口化し...に基づくサービスを多く取り上げています。
このため同じ法律に基づいたサービスを取り上げたことのある立場として、今回の行政処分などについてご紹介しておきたいと思います。
今回の行政処分に至った理由
今回、みんなで大家さんが行政処分を受けたのは2つ理由があるようです。
- 投資物件の開発計画の変更について出資者への説明を怠ったため
- 開発許可を得ていない土地を販売対象に含めていた
このうち1点目の開発計画の変更については、投資をより成功に導くために程度の差はあれ他のサービスでもあり得るようには思います。
投資家への説明もどの程度まで不要で、どの程度から必要なのか議論の余地はあり処分理由としては弱そうですね。
これに対して2点目については故意であれば悪質、故意でなければプロの不動産会社として無能という誹りは免れないかもしれませんね。
この件が事実であれば、みんなで大家さんは早期にその理由、経緯を取りまとめて公式に発表しなければならないでしょう。
みんなの大家さんはポンジなの?
ネットのコメントを見ていると、みんなで大家さんはポンジ・スキームではないかという指摘を良く見かけます。
ポンジ・スキームとは、投資家への配当を他の投資家から集めた資金で賄う投資詐欺の一種のことですね。
その点、今回の行政処分の理由はそこを理由としておらず、実際にポンジスキームなのかは外からは見えにくいため何とも言えません。
ただしみんなで大家さんが投資対象として扱っている成田の土地について、ほぼ開発が進んでいないことを色々なYoutuberが取り上げています。
またそう言った動画の中で説明がありましたが、みんなで大家さんの現在の分配金は次のような形で捻出されているそうです。
- 投資家の資金で土地を購入
- 購入した土地をグループ会社に転売
- グループ会社が親会社に同土地をリースバック
- リースバックの賃料から分配金を支払
この流れが本当であれば分配金は実体が何もないところから発生しているようにも読み取れますね。
このためこの仕組みを持ってポンジ・スキームであると考える方も多いのかもしれませんね。
譲渡契約の停止について
今回の行政処分を受けてみんなで大家さんに解約申込(譲渡契約)が多発しているようですが、現在はその締結が一時停止されています。
これは元々の契約で解約が殺到した場合は受付を停止できる規約が重要事項説明書に記載されており、それに基づいた対応のようです。
ただし今回のニュースを受けて解約を考える投資家にとっては自身の資産が心配な状態が長く続いてしまうことになります。
このため一時停止はあまり長引かせずにより多くの投資家が安心できるよう適切な対応が行われることを期待したいですね。
なおこちらの記事によると処分公表から24時間で470名程度で合計28億円以上の解約申込があったそうです。
今回の行政処分の波紋について
今回の行政処分に関して業界団体の1つである日本不動産クラウドファンディング協会が即座に声明を発表しています。
参考 不動産クラウドファンディングにおける投資家保護と業界信頼確立への取り組みについて
またサービス名に「みんな」が付くみんなの年金はみんなの大家さんと自身は無関係とのお知らせを発表しています。
みんなで大家さんの問題が早々に片付かなければ今後、さらに波紋が広がる可能性もあり、早期の解決を祈りたいと思います。
「みんな」の呪いについて
ちなみにみんなの年金の話を出した後で申し訳ありませんが、サービス名に「みんな」が付いていると、それだけで怪しいと感じる人も多いようです。
これはそもそもみんなの大家さんが過去(2013年)にも行政処分を受けていたことや、大問題を起こした「みんなでクレジット」があるためです。
ただみんなのクレジットの後にも「みんな」の付くサービスは多く誕生しており、その多くは必ずしも問題を起こしている訳ではありません。
このため「みんな」と付くだけで悪いイメージは持つべきではないのかもしれませんね。
ただ過去の他のサービス事例などを事前調査せず、安易にサービス名に「みんな」と付けるのは今後は避けた方が良いかもしれませんね。
という訳で今回の記事は以上です。今後また大きな動きなどがあれば再度取り上げるかもしれません。