明日3月19日(月)午前10時よりSBIソーシャルレンディングで「SBISLバイオマスブリッジローンファンド3号」が募集開始予定となっています。
ファンド名のバイオマスとは「バイオ」とある通り生物由来資源のことで、再生可能エネルギー固定買取制度の分類によれば次の通りに分類されています。
- メタン発酵ガス
- 間伐材等由来の木質バイオマス
- 一般木材バイオマス
- 建設資材廃棄物
- 一般廃棄物・その他のバイオマス
過去にSBIソーシャルレンディングで募集された1、2号ファンドは「メタン発酵ガス」タイプでしたが、今回の3号ファンドは「間伐材等由来の木質バイオマス」タイプとなっています。
またバイオマス発電の売電価格はこの分類ごとに定められており、現時点では「間伐材等由来の木質バイオマス」が最も高い「40円 /kWh」に設定されています。
ファンドの基本的な情報
募集金額 | 20億円 |
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期待利回り | 7.00% |
最低投資金額 | 5万円 |
運用期間 | 約13ヵ月 |
担保 | 有り |
保証 | 無し |
ファンドのスキーム
ファンドの詳細情報
今回のファンドの募集金額は20億円とSBIソーシャルレンディングの中でも過去最高金額となっています(次点は「SBISL不動産担保ローン事業者ファンドPlus 9号」の15億円)。
またこれに対する担保は「①借手1の出資持分への質権」「②発電所事業用地への抵当権」「③原材料採取地への抵当権」「④建設予定の発電所等の建物への抵当権」」への評価額で24億4,000万円、これに加えて「⑤発電事業に関する各種機器への譲渡担保権」となっています。
つまり単純計算すると、担保余力は約18.9%(100%-募集金額(20億)÷担保評価額(24.4億))となります。
担保余力が大きい=安全とは限らない?
今回のファンドの担保余力は普段SBIソーシャルレンディングで募集される他のファンドと比較して余裕のある設定となっていますが、逆に言えばそこまでの担保余力を持たせなければ貸付できない状況という可能性もあります。
と言うのは担保のうち②③の土地部分はともかく①の出資持分は価値の流動性が不明な点、④の建物部分も現時点で未完成で、完成してもバイオ発電事業者以外に売却できる代物なのかも不明なためです。
このため、今回のファンドではそこをある程度吸収できるようにこれだけの担保余力を持たせている・・・と言う読み方も出来るかもしれません。
バイオマス発電を取り巻く状況
またバイオマス発電に関する状況を調べてみたところ次の資料が見つかりました。
参考リンク:バイオマス発電の長期見通し(PDFファイル)
・新規認定未導入案件のうち(中略)案件開発の難易度の高さ(下記)から、実際の導入は2割程度の1.8GWの可能性。
1) 燃料調達(長期・為替予約)
2) 資金調達(大型は数百億規模)
3) 建設計画・主機メーカー生産能力
(中略)目標の4GWを大きく下回る。
・駆込み申請のなかには不健全な案件存在するとみられ、(中略)慎重に見極めていく必要あり
現時点でバイオマス発電事業は想定より伸びていないようです。
また「燃料調達」部分に関して、ファンドの説明によれば「安定供給ルートを確保済み」とありますが国内からの調達のみに頼る形に読め、資料の「国産材燃料価格は供給可能量が需要に対して限定的」という記述が気になります。
とは言え今回のファンドは運用期間が約13ヶ月と長くはなく、この程度の期間で行き詰るようであればそもそもの計画が杜撰過ぎるため、流石にSBIソーシャルレンディングの審査をクリアできないとは思いますが。
さいごに
SBIソーシャルレンディングは人気の高いソーシャルレンディングサービスで、このところ募集開始直後はサイトが非常に重くなる状況が続いています。
ただ今回のファンドは募集金額が非常に大きく、また募集開始時間も午前10時からとなっているため余裕を持って申し込みを行うことが出来そうです。
であるからこそ、単純にSBIソーシャルレンディングの看板と利回りだけを見ず、ある程度リスク面についても考えながら申し込みを行うことをお勧めします。
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