ラッキーバンクで1月6日午前10時から募集予定の「【1/6募集】第399号ローンファンド 東京都品川区×東京都中央区」について過去の同担保不動産への資金調達状況から分析を行ってみました。
ファンドの基本的な情報
基本情報 | |
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期待利回り | 8.50% |
運用期間 | 19か月(2018年1月29日貸付実行~2019年8月28日返済完了予定) |
担保/保証 | Project1:品川区戸越銀座エリアの一棟ビル Project2:東京都中央区の一棟オフィスビル |
募集総額 | 3,566万円 |
最低投資金額 | 8万円~ |
元本返却方法 | 一括返済(期限前返済有) |
こちらのファンドは多分に漏れずProject1の割合がファンドのほぼ全てを締めているため、以降はProject1についてのみ扱います。
ファンドの詳細情報
こちらのファンドは年末に募集された第398号とセットとなっており、また2016年7~8月に募集された第128号・第129号ローンファンドの借換えとなっています。
また調べてみたところこれ以外にも過去に同不動産担保物件に関する貸付が実施されており、その資金調達状況は次のようになっていました。
過去からの資金調達状況
号 | 調達資金 | 利回り | 運用期間 | 貸付開始 | 貸付終了 | 備考 |
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126 | 3,565万 | 9.50% | 20ヵ月 | 2016/07/22 | 2018/03/28 | |
127 | 3,565万 | 9.40% | 19ヵ月 | 2016/07/22 | 2018/02/28 | |
128 | 3,565万 | 9.30% | 18ヵ月 | 2016/07/22 | 2018/01/29 | 今回借換 |
129 | 3,565万 | 9.20% | 17ヵ月 | 2016/08/03 | 2018/01/29 | 今回借換 |
130 | 3,565万 | 9.90% | 16ヵ月 | 2016/08/03 | 2017/12/28 | 返済完了 |
131 | 3,565万 | 9.80% | 15ヵ月 | 2016/08/03 | 2017/11/28 | 返済完了 |
132 | 3,565万 | 9.70% | 14ヵ月 | 2016/08/05 | 2017/10/30 | 返済完了 |
133 | 3,565万 | 9.60% | 13ヵ月 | 2016/08/10 | 2017/09/28 | 返済完了 |
236 | 3,000万 | 10.00% | 15ヵ月 | 2017/04/28 | 2018/07/30 | |
237 | 3,000万 | 9.00% | 13ヵ月 | 2017/04/28 | 2018/05/28 | |
344 | 3,565万 | 9.50% | 21ヵ月 | 2017/09/28 | 2019/06/28 | 133号から借換 |
352 | 3,565万 | 8.50% | 20ヵ月 | 2017/10/30 | 2019/06/28 | 132号から借換 |
362 | 3,565万 | 10.00% | 20ヵ月 | 2017/11/28 | 2019/07/29 | 131号から借換 |
386 | 3,565万 | 8.50% | 16ヵ月 | 2017/12/28 | 2019/04/30 | 130号から借換 |
398 | 3,565万 | 8.50% | 18ヵ月 | 2018/01/29 | 2019/07/29 | 129号から借換 |
399 | 3,565万 | 8.50% | 19ヵ月 | 2018/01/29 | 2019/08/28 | 128号から借換 |
※明確に同じ不動産との記載は無いため担保の設定金額からの推測となります。
※第344,352号の借換元は明記が無いため貸付開始/終了日からの推測となります。
この表より今回募集のファンドは借換前から運用期間が1ヵ月伸びており、逆に利回りは0.70~0.80ポイント低下していることが分かります。
このことは投資家から見るとファンドの旨味が低下したと見えますが、逆に返済実績が積まれて融資先事業者の信頼が高まりリスクが低下したとラッキーバンクさんが判断されてのことかもしれませんね。
過去からのProject1の状況の変化
今回のProject1の状況は次の通りに説明されています。
本担保物件は一棟ビルにリノベーションを施し宿泊施設として運用することで収益化を向上させた後、販売を行う計画です。現在は設計士のプランニングを基に、工事業者や運営会社などと具体的な摺合せを行っております。
これに対して第126~133号では次のように説明されていました。
東京都品川区所在の1棟オフィスビルを取得後に、フルリノベーション(コンバージョン)を施します。その後、テナントリーシングを完了し、一般市場へ売却いたします。テナントリーシングは、都内にて複数の宿泊施設の運営を行なっている訪日観光客向け簡易宿泊施設の運営会社が入居予定しており、各「宿泊」フロア、「レンタルスペース」フロア、「ラウンジスペース」フロアと宿泊施設一体型仕様にフルリノベーション(コンバージョン)致します。
表面上の説明だけを読むと第126~133号の募集が行われていた2016年7月頃から今回の募集までの約1年半の間にProjectの計画を立て、現在は実際に工事を開始する直前まで進んでいる状況ということでしょうか。
不動産建築方面に明るくないためProjectの進捗状況があまり早く無いようにも感じられますが、2020年のオリンピック前までの運用を目指していると推測すれば順調なのかもしれませんね。
現在の担保の融資構造
第126~133号の頃は同不動産には金融機関による3,000万円の第一順位根抵当権設定が行われていましたが、今回の貸付実行後融資額の状況は次の通りとなっています。
調査価額
3億5,660万円
極度額:3億5,500万円(99.6%)
実行後融資額:3億4,520万円
つまり融資先からの返済が滞り担保不動産を売却することになった場合、この調査価額から0.4ポイント分以下の金額(手数料や税金類は検討対象外)となると投資元本を割込むことになります。
その上でこの根抵当権設定極度額はかなりギリギリに感じられますが、調査価額が第126~133号の募集時から変わって(再評価されて)いないのに対して周辺地域の地価は2016年から2017年にかけて5~6%ほど上昇しているため、もう少し緩めに見ても良いかもしれません。
また戸越銀座は山手線新駅建設予定地である泉岳寺まで3駅6分(都営浅草線戸越駅⇔泉岳寺駅)という点も今後の地価上昇に期待できそうな点と言えるかもしれませんね(元々、東急池上線戸越銀座駅⇔五反田駅で2駅4分という好立地ではありますが)。
まとめ
まとめると、次のような点が本ファンドへの投資判断の参考になるのではないかと思います。
- 利回り8.50%は借換前より低下(その分、貸付実績が蓄積されリスク低下?)している点
- 抵当権設定割合が99.6%とギリギリだが実際の担保不動産の評価額は上昇(抵当権設定割合は低下)していそうな点
- 個人的な感想ですが、戸越銀座周辺地価は今後も上昇を期待できそうな点
ご興味を持たれた方は、本ファンドへの投資を検討してみては如何でしょうか。
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