ニュースとしてはやや遅いネタですが、先月23日に「ハイアス・アンド・カンパニー株式会社」が不動産投資型クラウドファンディング(以下、適宜「不動産型CF」)への参入を発表していました。
ハイアス社は今月21日にマザーズから東証1部に市場変更したばかりの不動産会社です。
PDF 東京証券取引所市場第一部への上場市場変更に関するお知らせ
このため、このまま順調に行けば6月にサービス開始したトーセイのTREC FUNDINGに続く、5番目の東証1部企業が運営する不動産型CFサービスとなる見込みです。
ハイアス・アンド・カンパニー株式会社について
ハイアスは2005年設立の不動産会社で、独立した建築家が住宅を基本設計する「R+house事業」を主力事業としている会社です。
所在地 | 東京都品川区上大崎二丁目24番9号アイケイビルディング5F |
---|---|
資本金 | 4億3,332万円 |
設立年月日 | 2005年3月31日 |
上場年月日 | 2016年4月5日 |
代表取締役社長 | 濵村 聖一 |
役職員数 | 253名 |
平均年齢 | 33.4歳 |
平均年収 | 553万円 |
今回の発表内容について
ハイアス社の不動産型CFへの参入は下記のIRで発表されています。
もちろん正確な情報を得るためこちらのIRは各々ご確認頂きたいと思いますが、以降では管理人が興味を持ってもう少し掘り下げて内容をご紹介しています。
相続不動産関連事業への投資となりそう?
今回のIRによると「R+house事業」に次ぐコアビジネスとして「相続不動産事業および当該事業を起点とした周辺ビジネスへの波及・進展」が今後の方針の1つとして掲げられています。
このことから、新サービスではこの相続不動産関連事業に対する案件が多く募集される可能性が高そうです。
高齢化社会にある日本にあっては今後、大きな課題となる分野とも考えられ、投資領域として考えてみても興味深いかもしれませんね。
地域活性化・地方創成に貢献
元々不動産投資型クラウドファンディングは全国の空き家・空き店舗等を再利用、地方創生することを目的として掲げています。
そしてハイアスでも今回、「『ローカル・スモール』エリアの地域活性化、地方創生に貢献する事業の展開」が掲げられており、この目的に沿った内容となっています。
またこの全国の空き家・空き店舗等は相続不動産事業としてハイアスに相談が持ち込まれることも多く、先にご紹介した話に繋がっているようです。
マイクロビジネスのスタートアップ支援について
将来構想として、ハイアスの経営コンサルタントに関するノウハウにより再生させた不動産を用いた飲食業や小売業、サービス業などのマイクロビジネス(超小規模商売)のスタートアップ支援を考えているようです。
この為の準備かは明記されていませんが、グループ会社のハイアス・キャピタルマネジメント株式会社では第二種金融商品取引業の取得を目指しているようです。
もしかすると今後、不動産型CFで投資した不動産を利用したビジネスに、さらにソーシャルレンディングで投資する・・・なんて流れが出来るかもしれませんね。
既存の東証1部関連のサービスをご紹介
ハイアス社の新サービスの開始時期はまだ不明ですが、現在サービス提供中の他の東証1部関連サービスもご紹介しておきます。
サービス | 最近の状況 |
---|---|
Jointo α(ジョイントアルファ) | 総合不動産会社「あなぶき興産(8928)」が運営。6月にサイトをリニューアルし、8月3日に新ファンドが募集開始予定。 |
Rimple(リンプル) | 東京都の不動産会社「プロパティエージェント(3464)」が運営。今年2月にサービスを開始したばかりですが既に7万人以上のユーザーを抱える人気サービス。 |
X-Crowd | 貸付ファンド「Funds(ファンズ)」でも良く登場する不動産会社「インテリックス(8940)」が運営。京町屋関係のファンドを2件募集した後は音沙汰が無く、コロナ影響が心配される。 |
TREC FUNDING | 6月にユーザー募集を開始したばかりの「トーセイ(8923)」が運営。7月末現在では1号ファンドの内容紹介までは行われているが、募集開始時期は未定。 |
どのサービスも東証1部上場企業が運営しており安定性は高そうですが、この中ではファンド募集機会もほどほどに多いRimple(リンプル)がとっつきやすいと思います。