目先の利回りで判断できないソーシャルレンディングの本当の利回りって？【早見表付き】

突然ですが次の2つのファンドがあった場合、どちらのファンドに申し込みますか？

これを見て例えば、Aは「運用期間は短いが利回りと同じようにリスクも高そう」だが、Bは「利回りと同じようにリスクもほどほどに思えるので、運用期間中に余裕資金があれば投資しても良いかな」と考える方もいらっしゃるかと思います。

ですが実際のところ、この2つのファンドの実質的な利回りにほとんど違いはありません。

少し極端な前提もありますが、この考え方は投資を行う前に理解しておくと役に立つこともあるかと思いますので、こちらでご説明したいと思います。

運用期間と資金拘束期間

定期預金などの場合、おおむね申込翌営業日から満期日までが利息計算対象となり、また満期日の翌営業日頃には資金拘束が解除されます。

これに対してソーシャルレンディングの場合、「申込から運用開始まで」「運用終了から分配日まで」に期間があるため、資金の運用期間と資金拘束期間にそれなりの差が発生します。

例えばあるファンドでは募集開始から終了まで2週間、募集終了から運用開始に1週間、運用終了から分配日まで2週間近い期間が設定されていました。

これを冒頭のファンドＡに当てはめると運用期間は1ヶ月でも資金拘束期間は2ヶ月となるため、実質的な利回り（年利換算）は半分の6%程度になることを想定しておく必要があります。

もちろん追加期間の部分はサービスやファンドにより一定ではないのですが、毎回計算するのも大変なので、固定で1ヶ月を目安とすると良いかと思います。

さらにもう少し話をイメージしやすいようにファンドＡとＢの例を図にしてみました（全体の期間を合わせるため、Ｂの運用期間を11ヶ月に変更しましたが話の筋は変わりません）。

この例では、利回り12%で運用期間6ヶ月のファンドＡと、利回り6.5%で運用期間11ヶ月のファンドＢとでは実質的な利回りにほとんど違いが無くなることが分かります。

もちろん投資商品を選択する際は、実質的な利回りだけではなくリスクや資金の流動性など様々な事情により選択することになると思いますが、このことを理解しておくだけで便利な場面もあるかと思います。

実質利回り早見表

今までの話を元に、具体的に1ヶ月○%の利回りが12ヵ月の△%と同じくらいになるのか？

これを毎回計算するのも面倒だと思いますので、1ヶ月12%、10%、8%、6%を基準にそれぞれ12ヵ月までの目安となる早見表を作成してみました。

もし今後、今回の件で悩むような機会がありましたらこちらをご利用頂ければと思います。

※全運用期間の前後の期間を1ヶ月、利回りは年利換算、税引き前を前提としています。

※小数点第三位を四捨五入

予定利回り12%基準

予定利回り10%基準

予定利回り8%基準

予定利回り6%基準