クラウドクレジットのカメルーンへの投資ファンド「【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクト1号」はご存知の通り契約期間延長(≒償還の遅延)状態となっています。
こちらのファンドについては私自身も投資を行っており、上記の記事で次のような疑問を挙げていました。
- 同系列のファンドに影響があるのか無いのか
- 今回の遅延で2017年1月返済目処とあるが契約期間が5月まで伸びる理由は何か
- その遅延期間の分、きちんと利回り分のリターンが支払われるか
こちらについて12月2日に投資家の皆様に対してクラウドクレジットよりQ&A集が送付され、また5日に転載の許諾を頂きましたので下記にこちらの内容を転載致します。
※私がプラスに感じた箇所を赤字、マイナスに感じた箇所を青字で強調しています。
2016年11月30日に送付申し上げました「契約期間延長のお知らせ」に関し、投資家のみなさまからご質問をいただいております。ご出資いただきましたすべての投資家様に対して、これまでにいただきましたご質問と弊社回答とをまとめましたので、ご高覧いただければ幸いです。
【クラウドクレジットが事態を把握したのはいつですか?】
2016年11月1日に、現地パートナーであるOvamba Cameroon Solutions Sarl (以下「オバンバ社」)とのミーティングに行った際に、カメルーンの資金需要者1社が商品買戻契約を履行できない状況にあるとの第一報を受けました。【クラウドクレジットから投資家にもっと早く連絡できなかったのですか?】
第一報を受けたのち、オバンバ社から資金需要者に関する追加状況報告を要請、それに伴う資料等の提出を受け、公表されている情報から受領した情報の検証作業を行ったうえで、契約期間延長が妥当であるとの判断に至りました。その判断がなされたのち、速やかにお知らせを送付申し上げたところです。【オバンバ社の情報開示は適切なタイミングでしたか?】
オバンバ社からの第一報は、資金需要者からの情報伝達を受けて速やかに行われたものと認識しております。【オバンバ社はきちんと信用調査を行ったうえで資金受領者とのトレードファイナンスを締結したのでしょうか?】
オバンバ社は同社所定の本人確認及び資金需要者の財務状況等を行っております。今回、商品買戻契約を履行できなくなっている資金需要者に対して、信用調査実行時に何らかの落ち度があったとは考えておりません。【契約が履行されないことで投資家宛の返済が遅れている金額はいくらですか?】
本件匿名組合契約に基づく出資金は全体で52,370,000円(ユーロへの両替金額はEUR 423,416.14)でしたが、このうち投資資金の回収に時間が必要な延滞元本はEUR 146,561.03で、約34.6%の割合となっています。【2016年11月期に償還される資金はいくらですか?】
2016年11月期中に子会社から返済されて円転され、2016年12月中旬に投資家宛にお戻しできる資金は総額で39,771,591円です。出資総額52,370,000円における各投資家様の出資割合に応じて、預託金口座にお支払い申し上げます。【オバンバ社は2017年1月末に回収予定としているにも関わらず、6ヶ月間の契約延長をするのはなぜですか?】
オバンバ社の試算では2017年1月末までにすべての財産を売却できると見込んでおりますが、最も高い値段で財産売却を行うには一定の時間がかかる可能性があります。本営業者は契約期間を匿名組合契約書に記載されているなかで可能な限り長く延長したうえで、回収が順調に進んだ時には速やかに残余財産の分配を行ってファンド契約を終了させるのが妥当と判断いたしました。【未回収の資金には金利はつくのですか?】
投資家様には、本営業者(クラウドクレジット株式会社)のエストニア子会社への貸付事業にご出資いただいております。エストニア子会社は、カメルーン向け事業から生じる収益のなかから延長期間中についても未返済元本部分に対して所定の金利を付して本営業者に返済することとなっています。その返済があり次第、投資家様への分配が出資比率に応じて行われることとなります。
しかしながら、次の質問に対する回答で述べます通り、オバンバ社が資金需要者から購入していた財産が著しく低い金額でしか売却できなかったような場合には、元利金の返済に影響が生じる恐れがあります。【エストニア子会社が延長分の元利金返済を行う原資となるカメルーンでの回収は確実なのでしょうか?】
オバンバ社は資金需要者との間でトレードファイナンス取引を行っております。資金需要者は現在必要な資金を確保するために、在庫商品などをオバンバ社に売却するとともに一定期間後にオバンバ社から当該在庫商品などを買い戻すという契約です。オバンバ社は資金需要者が買戻し契約を履行しない場合、当該商品を市場売却することで資金の回収を図ります。今回、オバンバ社は資金需要者から商品在庫と土地建物を購入しており、その財産を市場売却する予定です。本営業者はオバンバ社の回収業務によりエストニア子会社が未返済元本と期間利息を支払える状況になることを見込んでおりますが、オバンバ社が資金需要者から購入していた財産が著しく低い金額でしか売却できなかった場合、元利金の返済に影響が生じる恐れがあります。【ファンドは為替ヘッジつきでしたが、延長期間についても為替ヘッジが適用されますか?】
【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクト1号はMFX Solutions との間で為替ヘッジ取引を行っておりましたが、その契約は2016年11月に終了しております。未返済になっている元本EUR 146,561.03とそこに発生する利息については為替ヘッジがかかっておりませんので、2016年11月から回収が終了するまでの間に円高・ユーロ安が進んだ場合、円貨ベースで為替差損が発生する可能性があります。【他のカメルーン中小企業支援プロジェクトにも影響はありますか?】
現在返済が滞っている資金需要者は【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクト1号の出資金で参加しているトレードファイナンス1件のみです。このため、当該資金需要者からの延滞によって他号のファンド償還に影響が出ることはありません。一方で、他号ファンドの出資金で参加している他のトレードファイナンスに延滞が生じた場合、当該ファンドの償還が遅延する恐れはございます。【今後もカメルーン中小企業支援プロジェクトのファンドは募集されるのでしょうか?】
カメルーン中小企業支援プロジェクトのファンドシリーズは今後も現地パートナーの資金需要額に応じて販売される予定です。【他のファンドでも予定通りの分配がなされていないものがありますか?】
クラウドクレジットは2016年10月末時点から月次で「運用状況マップ」を公表し、各ファンドの運用状況を開示しております。2016年11月末時点の運用状況マップは12月5日に公表予定ですので、クラウドクレジットのホームページにてご確認いただければ幸いです。
こうして読むと私が疑問に覚えた点については回答頂いていること、また様々な投資家から受けたと思われる疑問について細かく回答している点についてクラウドクレジットは投資家に対して誠意向き合っているように思いました。また他のファンドに影響が無い点を明記されていたことは安心できました。
※ただし誠意があるからといってすべての投資がうまく行く訳ではありません。
1点気になったのは、未返済部分については為替ヘッジの恩恵を与れないことでしょうか。
おそらく多くの投資家は契約期間が延長されることを想定しておらず、また延長された場合に残債部分がその恩恵に与れない事を把握していなかったのではないかと思います(もちろん私自身も)。
現在の為替相場
「【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクト1号」はユーロ建てとなりますが、今年4月時点の相場は1ユーロ126円前後、本日は122円程度のようですので、3%程度の元本の下落が考えられます。
ただしこちらのファンドの期待利回りは12.3%、また為替相場が円下落基調であることから、契約期間終了頃には悪くてもマイナスになる可能性はそこまで高くは無いじゃないかな・・・と期待しています。
投資元本のうち2/3は戻ってきますので、残りの1/3で金利12.3%がついたFX中期投資をしていると考えれば、まぁ・・・大丈夫かな?・・・と勝手に期待しています(笑)
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