東証マザーズ上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営するOwnersBook(オーナーズブック)(オーナーズブック)がこの9月で無事に4周年を迎えることになりました。
OwnersBook(オーナーズブック)公認の開始日は2014年9月8日ですが、1号ファンドの募集は6日から開始されていたようです。
OwnersBook(オーナーズブック)は4年前、まだソーシャルレンディング投資が超マイナーな時代にサービスを開始し、最近他のサービスでは問題が起きている中でも、これまで1件の延滞やデフォルトを出さずに投資家を利益を還元し続けていることは本当に素晴らしい結果と言えると思います。
このため今回、このOwnersBook(オーナーズブック)に敬意を評して過去4年分の全投資データを分析し、今に至るまでの結果と傾向をまとめてみましたので、OwnersBook(オーナーズブック)で投資を考えている方のご参考になればと思います。
全てのファンド件数と償還の状況
OwnersBook(オーナーズブック)で2018年8月末日までに募集された貸付型のファンドは115件となっており、そのうち67件が償還済、1件が案件不成立、残りは全て正常運用中、つまり延滞やデフォルトが発生したファンドは0件となっています。
また、償還済件数のうち63件が予定利回りよりも高いか同等の確定利回りを得ることが出来ており、残りの4件も予定利回りを下回るとは言え0.2%ポイント以内の低下で償還が行われていました。
利回りが低下したファンドもすべて、最初に募集されてから5件以内のものでした。
予定利回りと確定利回りの差
上記でご紹介したファンドの情報を元に、まず最初に予定利回りと確定利回りの差をまとめてみました。
※表の横軸は各ファンド説明画面のURL末尾についている4桁の数字(ファンドIDと呼びます)を使用し、ファンドの基準日には投資実行日を用いています。
OwnersBook(オーナーズブック)のファンドIDはきれいに数字がそろえるためか、1からではなく1000から開始されているようです。
こうして図にしてみると残念ながら利回りが全体的に低下傾向で、さらに3年目中盤以降は予定利回りに対して確定利回りが大きく跳ねることも無くなったことが分かります。
また3年目までは予定利回り5%前後をキープしていましたが、4年目に入ってから4.5%前後に下がってきたことも確認できますね。
利回りが低下傾向になることは残念ですが、前向きに考えると会員数が増えたことで高い利回りを提示しなくても資金が集まる状況、つまりOwnersBook(オーナーズブック)の経営自体が安定してきたためではないかと考えています。
募集総額と申込人数
次に募集総額と申込人数の相関関係を調査してみました。
こちらのグラフからはOwnersBook(オーナーズブック)の1ファンド辺りの募集総額が年々大きくなる傾向にあり、またこれに連れて申込人数も増えてきていることが分かります。
ただ、既に1ファンドで3~4億円を超えたものもチラホラと出てきているため、貸付型ファンドの募集総額としてはそろそろ頭打ちになるのではないかと予想しています(SBIソーシャルレンディングでは1ファンド10億円越えもありますが、あれは本当の意味で貸付先が複数化されているようですしね)。
これに対して恐らく参加するユーザー数はますます増えていくため、OwnersBook(オーナーズブック)は次のいずれかの方向に進むのではないかと考えています。
- 多くのファンドを短いサイクルで募集するようになる。
- エクイティ型ファンドを増やしてユーザーを2分化する。
OwnersBook(オーナーズブック)の今までのアナウンスを見ると2のエクイティ型ファンドを増やしたいんじゃないかな?
平均申込金額
さらに「募集総額と申込人数」をもとに1ユーザー辺りの平均申込金額の傾向をまとめてみました。
この結果から、ユーザー数が増えてきたことから1~2年目にはかなり大きく存在していた1ファンド毎の平均申込金額のブレが徐々に少なくなってきたことが分かります。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | |
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募集総額計 | 18,350万円 | 55,350万円 | 147,250万円 | 495,390万円 |
募集人数計 | 349名 | 1,519名 | 5,648名 | 20,116名 |
平均申込金額 | 52.6万円 | 36.4万円 | 26.1万円 | 24.6万円 |
またまだ傾向を述べるには早いかもしれませんが、毎年の平均申込金額の傾向から1ファンド1ユーザー辺りの金額は25万円前後に集約されていきそうです。
中には1,000万円以上申込んでいる方もいそうですが、この数字は自分が投資する際の基準になりそうですね。
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