先日、OwnersBook(オーナーズブック)の運営会社であるロードスターキャピタル株式会社から「エクイティ投資型商品の提供に向けた登録の完了に関するお知らせ」がありました。
こちらについてお知らせの内容だけでは詳細が分からなかったため、中の方に数点質問をメールさせて頂きご回答頂きましたのでその内容をご紹介致します。
質問内容と頂いた回答
(1)当商品はロードスターが保有または購入する不動産に直接投資を行い、そこから得られる収益を投資家に分配する商品なのか?
クラウドファンディングで集めた資金を元手に、証券化された不動産を購入するという商品です。
当社が現に保有する不動産を投資対象にしたり、当社が権利者となって新たに購入する不動産への出資を募ったりするものではありません。
購入か否かという件につきましては、エクイティ型は所有権ではないものの、実質的には所有権に近しいものになります。
投資対象不動産は、当社が厳選し、『OwnersBook』に掲載しても良いと判断した物件に限ります。
投資家の皆さまにとって、貸付型は不動産のローン(デット)部分の権利、エクイティ型は不動産のエクイティ(自己資本)部分の権利を実質的に取得することになりますので、リスクリターンやスキーム等、完全に異なる商品です。
(2)商品内容はマンション一室などではなくマンションやビル全体の投資割合分、といったイメージになるのか?
理論的にはマンション一室のケースも含まれますが、対象不動産としてより適切な不動産に投資を行います。現在当社がエクイティ型で想定している対象不動産は、数億円~数十億円程度の物件全体です。
(3)収益を維持費が上回った場合、マイナスが発生するのか。
期中において収益<維持費となる可能性もゼロではありません。
また市況によっては運用終了時(≒売却時)に取得額>売却額となり、キャピタルロスが生じる可能性もあります。
当社としては、市況を見ながら適切に運用を行い、目標利回りの実現を目指します。
(4)投資募集時に予定金額が集まらない場合は逆にローン募集を行ったりするか?
現在、同一不動産に対して同時に貸付型とエクイティ型の募集を行うことは想定していません。
(5)既存商品から下記のような維持・変更はあるのか。
① 投資元本の変動が発生するようになるのか?(経年劣化、評価額変動など)
所有権に近しい権利ですので、対象不動産の価値に連動して元本価値は変動し得ます。
② 運用期間は無制限となるのか?(その代わり中途売買可能など)
REITと異なり、売却も検討に入れつつ不動産運用を行ってまいります。募集段階で予め運用期間を設定する予定です。
③ 匿名組合→任意組合になるのか?
出資形態としては匿名組合を利用します。
④ 税金は雑所得→不動産所得となるのか?
エクイティ型商品は貸付型商品と同様「匿名組合出資」で、匿名組合事業が、貸付か証券化された不動産への投資かの違いに過ぎませんので、分配金や売却益は貸付型と同様「雑所得」となると考えられます。詳細につきましては、行政窓口又は税理士にご照会ください。
既存の商品とのスキームの違い
既存の商品にはOwnersBookの先に貸付け先が存在しており、そのシニアローンまたはメザニンローン部分、つまり貸付先にとっては負債(デット)となる部分に投資を行っていました。
これに対してエクイティ型の商品は証券化された不動産を購入し、不動産のエクイティ(自己資本)部分の権利を実質的に取得することにとのことですので、次のようなイメージになるのでしょうか(私個人の解釈です)。
エクイティ投資型商品はソーシャルレンディングではない。
ここまで読んで頂ければ何となくご理解頂けると思いますが、エクイティ投資型商品はソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)とは全く別のスキームの商品となっています。
では何型クラウドファンディングと言えば良いかと言うと、本商品は「貸付型」「株式型」「ファンド型」「購入型」「寄付型」の何れとも異なっているように思いますので、新たな形の「エクイティ型」あるいは「不動産証券型」クラウドファンディングと呼称するのが良いのではないかと考えています。
当ブログは「ソーシャルレンディング ウォッチ」の名の通りソーシャルレンディングに関するトピックを扱っていますが、既にその親戚のような株式投資型クラウドファンディングについても扱っていますので、本商品についても今後とも引き続きウォッチしていきたいと考えています。
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