ソーシャルレンディング投資を行う際に対象のファンドに担保が付いているかいないかでそのファンドのリスクは大きく変わり、投資する立場としての安心感もだいぶ違ってくるかと思います。
またその担保の対象となるものには不動産、有価証券、商品在庫、太陽光発電事業に関する認可の譲渡予約、など様々なものがありますが、中でもやはり不動産担保が付いているファンドが一番安心できる方が多いのではないでしょうか。
さらに担保に取られている土地、物件のある地域が流動性の高い(売買されやすい)地域にあれば、たとえ投資対象のファンドが失敗し、担保を売却せざるを得ない事態に陥った場合にも早めに投資家への返却が行われやすいということになりますので、より好ましい担保であると考えることが出来ると思います。
その最たる地域として多くの方が考えるであろう、東京都、中でも23区、さらにその中でも近年人気を集めている地域のひとつである豊洲で大幅な地価の下落が発生していました。
想定外の事態
不動産担保価値の大幅な下落が発生する事態としては、地震や水害などの天災による影響やリーマンショックのような急激な景気の悪化要因が考えられます。
これらの要因の発生は投資家にとっては「想定外」とは言っても、「可能性は重々承知しているが、そんな事をいちいち考えていたら投資なんてやってられない」範疇に入る事態ではないでしょうか。
ただ今回、豊洲地域で発生している地価の下落はこれらの範疇から逸脱した要因によるものだと考えています。
築地市場移転問題
勘の良い方もそうでない方もご存知だと思いますが、豊洲と言えば築地市場の移転先としての市場が既に完成間近の状況となっていたにも関わらず、小池知事の就任後に様々な問題が発覚し、連日テレビや新聞のニュース記事を席巻している状況となっています。
これだけであれば豊洲地域の地価にそこまでの影響は無かったかもしれませんが、新市場の所在する旧東京ガスの工場跡地からヒ素やシアン化合物、水銀などの有毒な物質が検出されていることが地価の下落に影響を与えているようです。
豊洲の地価下落率
ソースが芸能ニュースというところがアレですが、下記記事に豊洲の地価の状況が紹介されていました。
記事によると豊洲地域で1年で1割以上地価が下落した地域があるとのことです。
直近の湾岸エリアの取引事例でも、昨年は坪340万円だったマンションが、豊洲の報道以後は坪300万円ほどになりました。1割以上も下がった計算です。
そもそも豊洲地域の地価はいつもの地価公示サイトによると直近1年で3~7%上昇している担保対象としては好ましい状況となっていましたので、それだけにこちらの記事にある、わずか1年で1割の下落は多くの方にとって想定出来ない事態ではないでしょうか。
不測の事態に備えるために
今回の事態はソーシャルレンディング投資の中でも割とリスクを避けた選択であるはずの不動産担保ファンドでも絶対に安心と言うことは無いんだな・・・と身に染みて感じさせてくれる事態だと感じました。
このためソーシャルレンディング投資に限らず投資を行う際には、その一部が想定外の事態に陥っても全体としてのダメージが大きくならないように、やはり投資対象の分散を行ってくことが大切だな・・・と再確認させてくれるある意味有難い事態ではないかと思いました。
今回の事態でもダメージを避けられるファンド(10/20追記)
そう言えば現在も募集中のOwnersBookの「杉並区新築マンション第1号ファンド第1回 」は担保評価額の余裕枠が大きいため今回の事態でもダメージを避けられそうですね。
※担保価値が下落してもファンドが成功に終われば売却の必要が無いためそもそも関係ありませんが。
その代わりに利回りは5.0%とソーシャルレンディング投資ファンドの中では決して高くはない値となっていますが、預金金利などに比べると遥かに高い利回りとなっていますので、ソーシャルレンディング投資を始めたばかりの方や分散投資先を探されている方には良い選択肢の一つとなりうるかもしれません。
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