最近みんなのクレジットの白石伸生代表取締役のインタビュー記事を良く見かけるようになってきました。
記事にもありますが、みんなのクレジットはソーシャルレンディングサービスとしては後発組に属するサービスではありますが、Web上の広告戦略や大量のキャッシュバックキャンペーンによって急速に新規ユーザを獲得し、また「融資金額の120%以上の価値を保全する担保をすべての案件に設定し、魅力的な利回りを安定的に実現できる仕組み」によって業界随一のスピードで成長しているを遂げているようです。
そして一連の記事の中に白石伸生代表から気になるコメントがいくつかありました。
個人向けローンファンドの取り扱いについて
日本のソーシャルレンディングは企業に対して個人が資金を提供する“C to B(Consumer to Business)”が中心です。しかし、米国では海外留学者などの個人に対して個人が資金を拠出する“C to C(Consumer to Consumer)”が一般的です。
それは借入総額を年収の3分の1までに制限する総量規制などの壁がある為ですが、無闇な借り入れを抑制する趣旨は理解できても、一時的にお金が必要な人がいることも事実です。ソーシャルレンディングを通じて、そうした本当にお金を必要とする人たちに手を差し伸べる仕組みをつくりたい。
これらのコメントはインタビュアーからの「今後の展望について教えてください。」との質問に白石伸生代表が回答したものですが、みんなのクレジットが今後、個人向けローンファンドを取り扱いたい意向が読み取れます。
※借入金額の総量規制は「個人向け貸付け」にのみ適用されます。
個人向けローンファンドって大丈夫なの?
現在、日本のソーシャルレンディングサービスでは個人向けローンファンドは取り扱われていませんが、これは業界の先駆者であるmaneoとSBIソーシャルレンディングが過去に個人向けローンファンドの取り扱いを行っており、焦げ付きが多発してたことにより撤退してしまったことにひとつの原因があるのではないかと思います。
これに対してみんなのクレジットは次のような取り組みで保全を行っていくようです。
- 120%以上の担保を全案件に設定する
- 「人工知能に基づく自動融資審査システム」の開発
後者はまだ完成していないシステムとのことで海の物とも山の物ともつきませんが、前者の通り、十分な担保が取られていれば今後、個人向けローンファンドでも大きな問題は発生しないのでは・・・と期待します。
そうは言ってもファンドに設定された担保の価値については投資家が外部から評価することが難しいため、みんなのクレジットから担保についてより透明性のある情報提供が行われることを期待したいと思います。
現在のところみんなのクレジットのファンドの担保は「商品在庫」や「有価証券」などが設定されていることが多いようですが、投資を検討する際にそれぞれの資産価値や、流動性についてもう少し情報があるとより投資しやすくなると思います。
東南アジア向けローンファンドについて
今後弊社としては下記フェーズを経ていきたいと考えています。
第1フェーズ:2016年4月に開始したソーシャルレンディングサービス
第2フェーズ:2017年9月に予定する人工知能に基づく自動融資審査システムの稼働
第3フェーズ:東南アジアの人々に小口の融資を提供するマイクロファイナンス(貧困者向けの小口金融の略)
マイクロファイナンス(小口分散)の仕組みは海外投資を専門に取り扱っているクラウドクレジットも取り入れている仕組みで、ファンドに多数の融資対象者を組み込み、予めデフォルト率を計算した上で一部の融資先がデフォルトしても投資家に大きな悪影響が及ばないようにする仕組みのことですね。
現在、クラウドクレジットがヨーロッパ、カメルーン、ペルーへの投資、ガイアファンディング、アメリカンファンディングがアメリカ、スマートレンドが香港への投資ファンドを提供していますが、東南アジア地域への投資ファンドはまだありませんので、これは新たな投資先として期待できそうです(もちろんそれなりにリスクは高そうではありますが)。
またこの東南アジア向けのファイナンスの提供は少なくとも第2フェーズの2017年9月より将来のことになるとのことで、それまでより多くの安定したファンドを投資家に提供し、今後も成長を続けてくれることを期待しています。
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