OwnersBook(オーナーズブック)で募集されるファンドと言えば、20%以上余力のある不動産担保が付き投資資金の保全が図られている代わりに、利回りが5%以下と他のソーシャルレンディングサービスに比べると若干低目の条件で募集されることが通例となっています。
そのOwnersBookから今回、利回りが5.5%といつもより少しばかり高めのファンド募集予告が行われていますので、その内容について確認してみます。
ファンドの基本的な情報
基本情報 | |
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期待利回り | 5.5% |
運用期間 | 1年2か月(2018年01月12日投資実行~2019年02月20日償還予定) |
担保 | 根抵当権 |
募集総額 | 8,050万円 |
最低投資金額 | 1万円~ |
元本返却方法 | 一括返済 |
期中配当 | 毎四半期 |
募集開始予定 | 2017年12月13日 18時 |
ファンドの詳細な情報
今回のファンドは2つの物件で構成されていますが、1件目は8,000万円、2件目は50万円の貸付と、いつも通り2件目は比率が低いため無視します。
※ソーシャルレンディングでは貸金業法に抵触しないように多くの場合、1つのファンドは複数の案件で構成されています。
東京都新宿区西落合に所在するレジデンス用地
1件目の「東京都新宿区西落合に所在するレジデンス用地」について確認してみます。
※レジデンスとは本来は邸宅を指す言葉のようですが、日本では高級なマンションやアパートのことと考えておけば良いようです。
リスク評価
評価項目 | 内容 | リスク |
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ロケーション | 東京都新宿区西落合 |
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稼働率単位:% | 分析対象外(レジデンス用地のため) | |
スポンサー クレジット | 設立3年超の総合不動産会社 |
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稼働率単位のリスクが分析対象外となっていますが、通常は募集されるマンションや商業ビルのファンドで、稼働率(入居率)が高ければリスク小、低ければ大となります。
今回の対象不動産は「東京都新宿区西落合に所在するレジデンス用地」、つまり上物がまだ存在していないためこの部分は仕方ないですね。
またスポンサークレジットの貸付先の総合不動産会社が設立から3年を超えており、また経常利益もここ3年安定している点は安心できます。
物件の財務構造
評価額
1億0,200万円
8,000万円
(78.4%)
ファンドが成功した場合は関係ありませんが、失敗した場合は担保を売却して返済にあてることになります。
そこでこの表を見ると担保不動産の現在の評価額に対して今回のファンドで貸付を行う金額は78.4%となっていますので、運用期間である約1年2ヵ月の間に不動産の価値がこれを下回らなければ少なくとも元本は戻ってきそうです。
※どのような担保でも評価額の通りに売却できるとは限らず、また売却時に手数料や税金分が差し引かれることも想定しておきましょう。
ちなみにこちらのサイトによると、周辺地価は2013年から2017年にかけて上昇、ここ1年でも2.5%上昇している地域もあるため、運用期間中に担保不動産の価格がこれを下回る可能性は高くはなさそうに感じられます。
まとめ
今回のファンドは利回りが5.5%とOwnersBookでは少し高めに設定されていますが、これは建物部分がこれから建築されるためでしょうか?
ただ、担保余力が21.6(100-78.4)%といつも通り十分に設定されており、また周辺地価も上昇中のため積極的に投資を行いたいと考えています。
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