沖縄発ソーシャルレンディングサービスのポケットファンディングで12日より「PF軍用地担保ファンド1号【一部不動産担保付】」(※二次募集まで予定)の募集が行われています。
沖縄軍用地と聞くと心情的に複雑な感情を覚える事もあるかと思いますが、知識としてその一部を知る事は決して悪い事でもないかと思いますので、今回のファンドをきっかけに、その状況について調べてみました。
「沖縄軍用地」最強の不動産投資という記事も
参考リンク:「沖縄軍用地」最強の不動産投資 元本保証で年利3%、税率軽減、管理要らず
沖縄軍用地について、(中略)基地用地問題で本土ではあまり知られていないが、他方で軍用地投資が存在している。
私の詳しくは無い知識でも沖縄軍用地の借地料を生活の糧として暮らしている方がいらっしゃることは存じていましたが、その軍用地が不動産投資の対象となっている事までは知りませんでした。
国が保証するという確実な投資先として、リーマンショック後から一般にも知られるようになり人気化している。
「国が保証」とは、同記事によると防衛省が軍用地料の支払いに総額986億円を拠出しているという部分のことでしょうか。
「日本政府が2~3%をほぼ保証」という記載もありましたが、他でも調べてみても明確な根拠については見つけることは出来ませんでした。
しかし、同時に基地立地県への補てんという意味合いもあり、投資に対しては批判の声もある。
またやはり一方で、軍用地への投資に当たってはこういった心情的な部分も理解しておくことも必要なようです。
ファンドの基本的な情報
ファンドの2案件目は全体金額に対して割合が小さいため省略しています。
募集金額 | 1,500万円(二次募集含む) |
---|---|
期待利回り | 7.40% |
最低投資金額 | 1万円から1千円単位で追加可能 |
運用期間 | 12ヵ月 |
担保 | 有り |
保証 | 無し |
ファンドの詳細について
今回のファンドは、ポケットファンディングの親会社「株式会社財全ソリューション」が法人AAに事業資金として融資していた1,500万円のリファイナンス(借り換え)となっています。
最近、ポケットファンディングでは株式会社財全ソリューションからのリファイナンス案件が続いていますが、これは次のような理由からでしょうか。
- 株式会社財全ソリューションの資金を身軽にして他の事業に回したい
- 同時に貸付リスクをポケットファンディングの投資家側に転嫁したい
- 貸付先はリファイナンスの際に金利が下がることを期待
ただ先にご紹介した記事の内容を信じれば軍用地を担保とした貸付はリスクがそこまで大きく無いようにも思えましたので、リファイナンスを行っている理由としてはリスク転嫁の部分は大きくは無いのかもしれませんね。
担保の状況について
今回のファンドでの担保は軍用地の第二順位根抵当権の部分となっており、ポケットファンディングは担保余力を(100%-今回の募集金額(1,500万円)÷(担保評価額-先順位部分)=70.3%)として算出しています。
私は不動産鑑定等の資格を持っていないためこちらの算出方法が正しいかについては何とも言えませんが、この計算式の結果では実際に担保評価額がどの程度下落した際に元本に影響があるか見えにくいため、改めて計算しなおしてみました。
約1億1,213万円
6,170万円
(約58.7%)
3,500万円
(約31.2%)
今回の第二順位根抵当権には極度額3,500万円が設定されているため(100%-((先順位+極度額担保評価額)÷不動産評価額))として改めて計算し直したところ、担保余力は10.1%となりました。
今回の担保物件の地価の状況
ポケットファンディングの説明によれば、軍用地の地価の評価方法は通常とは異なるとのことです。
軍用地の売買は一般の土地と評価方法が違い、「年間借地料×倍率」で算出されます。
「倍率」とは、いわゆる、軍用地ごとに違う係数です。これは返還の可能性が低い軍用地ほど
高くなります。よってエリアによっては倍率が変わります。また、年度毎に借地料は見直されます。
また「変換の可能性が低い」かどうかの部分については次のように言及されています。
本軍用地は米軍のレジャー施設であることもり、返還の可能性が低いので長期間借地料が
入るので購入希望需要が高くなっておりそれが倍率に現れています。
つまり本物件の「倍率」は低く、また「年間借地料」部分については先の記事などを鑑みるのであれば上昇傾向にあるようですので、ある程度の安全性は見込めるのかもしれませんね。
まとめ
今回のファンドの担保部分は軍用地のため需要については問題なさそうですが、通常の不動産物件と評価方法が異なり「なんとなく」安全性はある程度ありそうには感じられますね(若干もやっとはしていますが)。
また運用期間も12か月とほどほどの期間となっていますので、あとは心情的な部分などで特に問題が無いようでしたら今回のファンドなどへの投資を検討してみては如何でしょうか。
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